劇評

あたまのうしろ

F/Tで上演された各作品、企画についての劇評アーカイブです。
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倫理の動物、動物の倫理――シニシズムへの態度


 2012年のフェスティバル/トーキョー(F/T)のテーマは「ことばの彼方へ」であったが、上演された八割方の作品を観て、あらためて振り返ったときに、例年よりもテーマを意識したと思われる作品が多かったように感じた。

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ポストリアリズムへの探求

セノ・ジョコ・スヨノ
翻訳:加藤ひろあき

 去る11月22日、にしすがも創造舎 (i) のグラウンドに大きな穴が一つぽっかりと口を開けていた。もともと耕作地であったように思われるその土地は手入れされることなく放置されていた。盛られた土の上にはシャベルが数本、ごろんと転がっている。そしていくつかの木箱、見たところコンテナのようなものが穴の横に無造作に置かれていた。わたしは最初、これはインスタレーションアートだろうと考えた。しかも、ごくありふれたインスタレーションだと。

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写真をめぐる4つの断章(『あたまのうしろ』評) 


 「写真と身体行為の関係性を探求する」カンパニーであるヒッピー部の『あたまのうしろ』を観た後私が思い出したのは、ロラン・バルトの写真論『明るい部屋』、また多木浩二がバルトの写真論に触発されて書いたいくつかの論考だった。いずれも、根底にあるのは「(自分にとって/世界にとって)写真とは何か」という切実な問いである。ヒッピー部主宰の三野新、バルト、多木、三人に敬意を表してこの論考では私も写真、或いは写真と「何か」について考えることとしたい。

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