『x / groove space』
振付・構成: セバスチャン・マティアス
11/3 (木) ─ 11/6 (日)
会場東京芸術劇場 シアターイースト
日程 11/3 (木) 19:00
11/4 (金) 19:00
11/5 (土) 13:00★
11/6 (日) 12:00☆/17:00
受付開始は開演の1時間前、ロビー開場は30分前

★=終演後、ポスト・パフォーマンストークあり
☆=終演後、ワールドカフェあり(無料・要予約)
上演時間90分 (休憩なし)(予定) 
一般発売¥3,500 (当日+500円)
先行割引¥2,500
5演目セット¥2,800
3演目セット¥3,000
学生 ※当日券共通。当日受付で要学生証提¥2,300
高校生以下
※当日券共通。当日受付で要学生証または年齢確認可能な証明書の提示
¥1,000
groove space0
spac Pamphlet当日パンフレット(PDF)


グルーヴで再構築する「都市」。身体で感じるコミュニティ論

 私たちの生きる都市は、どのような身体、行動、時間から成り立っているのか――。入念なリサーチと現地アーティストとのコラボレーションを通じ、都市とその居住者が生み出すグルーヴを浮かび上がらせる、ドイツの振付家、セバスチャン・マティアスの『groove space』シリーズ。その最新作がF/Tに登場する。今回取り上げるのは東京、そしてドイツ国内でも日本人が多く居住するデュッセルドルフの2都市。リサーチを経て採集された東京/日本の身体感覚、時間感覚が、多国籍のダンサーたちと3人の日本の現代美術家によるインスタレーションやサウンドパフォーマンス、空間デザインを通じて再現される。  また、この公演には、いわゆる「客席」と「舞台」の区別はない。公演地でもある都市を解体、再構築した空間に、観客の存在、その反応をも重ねて取り込む試みは、私たちのコミュニティのありようを体感レベルで捉え直す契機ともなる。


★=ポスト・パフォーマンストーク ※その公演のチケットをお持ちの方は日時を問わず入場可(ただし終演後)
11/5 (土) 13:00の回   ゲスト セバスチャン・マティアス ほか

ムービー

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フォトギャラリー

    4月のレジデンスの様子

    © Masaru Iwai

  • groove space1
  • groove space2
  • groove space3
  • groove space4
  • タンツハウスnrw(ドイツ/デュッセルドルフ)での2016年6月世界初演の舞台写真

    © Katja Illner

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メインアーティスト・プロフィール

Sebastian_Mattias

セバスティアン・マティアス 振付家 

NYジュリアード学院、ベルリン自由大学で舞踊学を学び、修士号を取得。彼の振付作品はモジュール化された即興システムを元にダンサー達と創作される。カンプナーゲル、ゾフィーエンゼーレ、ルツェルン劇場、クルベルグ・バレエ等で自ら率いる制作チームとの共同作業を続けている。 2012年3月からはハンブルグ大学のポストグラデュエイト・プログラム「Versammlung und Teilhabe」より研究助成を受け、『groove space』シリーズの中で参加的プロセスの拡張を実践、観客も含むメンバーから構成されるリサーチグループと共に自身のアーティスティック・リサーチを継続している。 2014-2016年はデュッセルドルフのタンツハウスnrwのファクトリーアーティストとして活動中。





コラボレーションアーティスト・プロフィール

Itoh_Atsuhiro Iwai_Masaru Seyama_Yoko

伊東篤宏 美術家、OPTRONプレーヤー

1965年生まれ。98年に蛍光灯の放電ノイズを拾って出力する音具「OPTRON」を制作、命名。2000年以降、国内外の展覧会(個展、グループ展等)、音楽フェスティバル等からの招聘を受け、所謂サウンドアート的展開からロック、ジャズ、クラブミュージックまで、音の大小や空間の規模を問わないそのパフォーマンスで、様々なタイプのサウンド・パフォーマーやダンサーとの共演、コラボレーションを多数行っている。ここ数年はカールステン・ニコライらの「diamond version」へのゲスト参加等、ジャンルや音楽スタイルの枠を飛び越え、更なる幅広い展開をみせている。
http://gotobai.net/

 




岩井優 美術家

1975年京都生れ。2009年東京藝術大学美術研究科後期博士課程修了 博士(美術)。清掃や浄化を主題に映像、パフォーマンス、インスタレーションを世界各地で制作・発表。私たちの暮らしにある循環的な営みを観察しながら、清濁を拡張するような作品制作を行っている。これまで参加した主な展覧会に、ホイットニー美術館ISPプログラム「メンテナンス・リクワイアード」(ザ・キッチン、NY、2013)、「ニードレス・クリーンアップ」(ミートファクトリー・ギャラリー、プラハ 2013)、「六本木アートナイト」(東京、2013)等、個展に「通りすぎたところ、通りすぎたもの」(Takuro Someya Contemporary Art、東京、2015)、「習慣のとりこ」(秋田公立美術大学ギャラリーBiyong Point、秋田、2015-2016)「袋小路のミューテーション」(3331ギャラリー、東京、2011)等がある。
http://masaruiwai.com


 


瀬山葉子 舞台美術家、マルチメディア・アーティスト

デジタルな要素と自然の素材を融合させ、空間を変容させる舞台美術家、マルチメディア・アーティスト瀬山葉子は、主にコンテンポラリーダンスや音楽家とのコラボレーション作品を多く手がける。ネザーランド・ダンス・シアターの振付家イリ・キリアン作品における舞台美術の他、B.Streamアンサンブルの光の彫刻と作品『Saiyah』がスウェーデン、ウメア市のノーランドオペラ劇場で制作され、2014年5月に初演が行われている。過去の受賞・助成としてFilmhuis Works 10 (オランダ)、ポーラ美術振興財団 (日本) 等。
http://yokoseyama.com

       




共同振付・出演

ジュバル・バティスティ
リザン・グッドヒュー
デボラ・ホーフシュテッター
オスカー・ランドストローム
寺山春美
イダン・ヨアヴ
プロフィール詳細

photo: Ryosuke kikuchi

キャスト/スタッフ

振付・構成セバスチャン・マティアス
ヴィジュアルアート伊東篤宏(ライブパフォーマンス/サウンドインスタレーション)
岩井 優(インストラクションアート/ヴィデオインスタレーション)
瀬山葉子(キネティック・スカルプチャー/衣装)
共同振付・出演ジュバル・バティスティ、リザン・グッドヒュー、デボラ・ホーフシュテッター、
オスカー・ランドストローム、寺山春美、イダン・ヨアヴ
ドラマトゥルク中島那奈子
照明・舞台技術アンドレアス・ハルダー
制作協力岡本あきこ
制作ミラ・モシャルスキー
製作セバスチャン・マティアス
共同製作タンツハウスNRW、フェスティバル/トーキョー、東京ドイツ文化センター、
ベルリン国際ダンスフェスティバル「タンツ・イン・アウグスト2016」、ゾフィーエンゼーレ

助成the NATIONALES PERFORMANCE NETZ (NPN) Coproduction Fund for Dance, which is funded by the Federal Government Commissioner for Culture and the Media on the basis of a decision by the German Bundestag as well as by the Kunststiftung NRW, the Ministry for Family, Children, Youth, Culture and Sport of the State of North Rhine-Westphalia, the Arts and Culture Foundation of the Sparkasse Düsseldorf and Japan Foundation.

<東京公演>
技術監督寅川英司
技術監督助手河野千鶴
舞台監督渡部景介
演出部村上 希、櫻井健太郎
音響コーディネート相川 晶(有限会社サウンドウィーズ)
照明コーディネート佐々木真喜子(株式会社ファクター)
映像コーディネート遠藤 豊、岸本智也(LUFTZUG)
清掃嶋津リン(有限会社 ビルサービス阿波屋)
トーク通訳相磯展子
宣伝美術大西真平

プログラムコーディネート横堀応彦
制作岡崎由実子、喜友名織江
インターン栗原麻緒、美和咲妃、山崎衣理
フロント運営長原理江

記録写真菊池良助
記録映像菊池良助、岡本憲昭

協力日東カストディアル・サービス株式会社、山本山田
共催東京ドイツ文化センター
後援ドイツ連邦共和国大使館

主催フェスティバル/トーキョー

ドラマトゥルクより


 東京とデュッセルドルフのグルーヴに共通する、特徴的な性質と身体的な知覚とは何だろうか。セバスティアン・マティアスのチームは、これを探究するため、本作品のリサーチと制作を東京とデュッセルドルフの双方で行った。そこでは、特にデュッセルドルフ在住の日本人と、東京在住のドイツ人がそれぞれの都市へ注ぐ眼差し、つまり内からと外からの二重の眼差しに焦点を当てた。この二重の視点のもとで、一方の都市における少数派は他方の都市の多数派となり、多数派は少数派となる。ここで私たちは以下のような問題を改めて考えることができるようになる。私たちは異なる背景をもつ人々と、ひとつの空間を、どのように、分かち合うことができるのだろうか。

 『x / グルーヴスペース』において、セバスティアン・マティアスのチームは、東京に繋がりを持つ三人のアーティスト伊東篤宏、岩井優、瀬山葉子と共同でクリエーションにあたった。また演出を作り上げる過程では、プロジェクトの立ち上げからクリエーションを支えるドラマトゥルクの中島那奈子や、7人のダンサーに加え、デュッセルドルフ在住、東京在住の人々も、このダンスのアートスペースにおける共同の力学を立ち上げるにあたって重要な役割を担っている。

 この作品のドラマトゥルギーは多数の階層において展開している。双方の都市における歩行者の身体的な知覚を抽象化したダンスは、多焦点の振付を生み出している。また、瀬山葉子のキネティックスカルプチャーが作り出す空間の揺らぎは、伊東篤宏によるオプトロンを用いたライブパフォーマンスと光と音を生成する空間のインスタレーションとともに、ダンサーや観客と相互に影響しあう。岩井優は劇場のフロアに介入していく。ヴィデオという第三の空間において、グルーヴスペースを上から眼差し、舞台の状況に介入する。そうすることで、外にあるものをアートの空間へと導き入れながら、私たちに次のような問いを提起する。誰によって、誰のために、劇場空間は作られているのだろうか。

 私たちが公共の空間を感じ知覚する仕方は、政治的に文化的に構築されている。それと同時に、グローバル化された都市空間はまた、その都市のローカルな場所に住んでいる一人一人の人々によって影響を受けている。こうしたことは、私たちの眼差しが異なる他の誰かの眼差しと出会う、その瞬間にはじめて意識にのぼってくる。『x / グルーヴスペース』の実際のパフォーマンスは、空間的に離れた二つの場所の間に一時的に繋がりを作り出し、それに動きを与えていく。すなわち、デュッセルドルフと東京、ヴィデオの記録する眼差しと演劇の現在性、社会的な空間とアートの空間との間に繋がりを創出し、動きを導き出すのだ。



ドラマトゥルク 中島那奈子

舞踊研究者、ダンスドラマトゥルク、日本舞踊宗家藤間流師範名執藤間勘那恵、愛知大学講師。ダンスドラマトゥルクとしてクシルジャ『mech[a]OUTPUT』(ジャパン・ソサエティ、ニューヨーク 2007)、ベッシー賞を受賞したルシアナ・アーギュラー『Exhausting Love at Danspace Project』(セント・マークス教会、ニューヨーク 2006)、砂連尾理『劇団ティクバ+循環プロジェクト』(KYOTO EXPERIMENT 2012)、オン・ケンセン『Dance Marathon: OPEN WITH A PUNK SPIRIT!』(シンガポール国際芸術フェスティバル2015) 等、数々の実験的なアートプロジェクトにおいて作品制作に関わる。またダンスシンポジウム「The Aging Body in Dance」(Uferstudios ベルリン2012、東京ドイツ文化センター 2014) の企画・開催、『Dance Archive Box@TPAM2016』等のキュレーションも手がけている。http://nanakonakajima.com

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