F/T09春・秋のF/Tステーションでは伊藤キムプロデュースで『おやじカフェ』を開催しましたので、F/Tのお客さんの中には「おやじの次は、おばあちゃんか」と思った人も少なくないようです。その一方で、美術作家としてのやなぎみわの活動を知る人々にとっては、作品における「おばあちゃん」の存在の大きさは周知のところです。実際、今回はどのような経緯でおばあちゃんメイドによる『カフェ・ロッテンマイヤー』を企画されたのでしょうか。
巷に、様々な欲望に応じた(笑)コスプレカフェがあるなか、もし自分が行くなら絶対"おばあちゃんメイドカフェ"だなと。それに日本は女性の平均寿命が世界でもっとも長い「おばあちゃん大国」ですから、そういうカフェが存在して当然ではないかと思ったからです。
参加者の中には20〜30代の方もいらっしゃいますね?
はじめは年配のメイドだけの構想でしたが、しだいに「色々な世代が交ざっている方が面白いのでは?」と。実際私の「My Grandmothers」(※)という作品では、若い人が自分の50年後を演じている。モデルは12歳〜40代半ばまで。本当はもっと年齢層を広げてもいいくらい。
だから おばあちゃんメイドカフェも「何歳以上」という年齢制限を設けず広く公募しました。若くてもおばあちゃん姿が似合う方もいますし(笑)。その結果、20〜70代まで、幅広い年齢の方が集まりました。特殊メイクをしたりマスクを被るわけではないので、素顔に多少の老けメイクを施しておばあちゃんに見せている若い人と、実際にその年代の人というのが同じ空間にいるというのはなかなか面白いですよね。お客さんによっては「この人、実は若いじゃん!」と思うかもしれない。
今回参加者は女性のみですが、男性もおばあちゃんメイドになれる可能性はあったのでしょうか。
「My Grandmothers」と同様、ちゃんとおばあちゃんになれそうな人なら、もちろん男性もOKです。ただ応募したら、女性の中に男性が一人という可能性もありますから、実際に応募するには勇気がいる。そこに挑む勇気のある方がいなかったのは、少々残念ですね。
なぜ"おばあちゃんメイド"="ロッテンマイヤー"なのでしょうか?
"ロッテンマイヤー"は、多くの人が知っているであろう一つのアイコンですね。「アルプスの少女ハイジ」の設定では、ロッテンマイヤーさんは老齢ではない。ただ、彼女のような"そんなに若くはなく、厳格で意地悪"なタイプの女性に憧れ、「彼女のようになってみたい」という女性は多いのではないかと思います。天真爛漫なハイジでもなく、そして美少女で繊細なクララでもなく。
カフェ: 入場無料(1ドリンク制)
演劇公演: 1,000円(整理番号、1ドリンク付)
当日13:00〜 F/Tステーションにて販売します
カフェ・ロッテンマイヤー営業日
10月30日(土)、31日(日)、11月6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、23日(火・祝)、27日(土)、28日(日)の12:00-22:00
演劇公演:11月23日(火・祝)、27日(土)、28日(日)
開演時間:18:00(開場は開演の15分前)
※当日は17:00から、カフェおよびF/Tステーションは閉店しますのでご注意ください