『事件母(JIKEN-BO)』dracom

「録音された台詞と俳優の演技のズレ」を駆使した演出法を生み出し、2007年『もれうた』で京都芸術センター舞台芸術賞を受賞した筒井潤。独自の演出方法をさらに深化させ挑む本作は、実際に起きた母親殺害事件やギリシャ悲劇を下敷きに母親の存在そのものに考察を踏まえて創作される。時間や距離、会話が徐々にズレることにより、思いがけず立ち現れる現代人の歪んだ心象風景とはー。

■演出ノート
とても大きな不安を抱えている。これはわたしだけではないだろう。いつ殺されるかわからないという不安。知らない間に激しく恨まれて殺されたとしたら、それはもう相手にとってはそうなのだから、嫌だが、わからなくもない。政治的なテロで命を失ったとしたら、やはり嫌だが、次の世があったとしたら、怒りの方向に迷いがなく過ごせるだろう。見ず知らずの人の無差別殺人の対象になったとしたら、どうしようもなく悔しいだろうが、事故と思って開き直る方法もあるかもしれない。ただ、もし、わが子に「誰でもよかった」という言葉を添えて殺されたら...。気持ちをどこで落ち着かせたらいいのか、わたしは未だにわからない。

■キャスト・スタッフ
作・演出:筒井潤
出演:穴見圭司、村山裕希、小島聖子(以上、dracom)、岩澤侑生子(e-dance)、
べかお(コレクトエリット)、河合良平(インテレ-P)、小坂浩之(KDC)、
雑賀宏明(sy-company)、斉木りさ、中嶋さおり、松田早穂(ベビー・ピー)、吉田圭佑
舞台監督: 西田聖/美術:dracom/照明:葛西健一/音響:奥村朋代/
宣伝美術:三澤敏博(絡繰堂)/制作:安部祥子、dracom制作部/
制作協力:国際舞台芸術交流センター

アーティスト
筒井潤
dracom リーダー(作・演出・出演、等)。1971年生まれ、39歳。2007年、京都芸術センター舞台芸術賞受賞。代表作に、俳優がサイコロを振ってセリフの担当を決めた『空腹者の弁』(1997)、上演時間が20時間にも及ぶ『Green』(2003)、』、「ハムレット」をネット検索して集めた内容をコラージュした『特集・ハムレット』(2004)、録音されたセリフとその内容を演技する俳優の身体がずれる『もれうた』(2007)、『ハカラズモ』(2008)などがある。dracomでの活動の他、過去には山下残振付作品やマレビトの会に出演。

チケット

前売\2,500 当日\2,800 学生前売\2,000 学生当日\2,300 自由席
dracom制作部:06-6499-4522 dracom_f@yahoo.co.jp
http://www.dracom-f.com

公演スケジュール

2010.11.18(木)-21(日) シアターグリーン BOX in BOX THEATER

スケジュール

アクセス

シアターグリーン フェスティバル/トーキョー会場
シアターグリーン

tel:03-3983-0644
豊島区南池袋2-20-4
「池袋駅」(JR山の手線・埼京線、東武東上線、西武池袋線、地下鉄丸の内線・有楽町線)JR池袋駅南口改札より地下通路(西武デパート側)39番出口………徒歩約2分
「池袋駅」東口より地上路で…徒歩約6分
地下鉄・有楽町線「東池袋駅」…徒歩約5分
都電・荒川線「雑司ケ谷駅」…徒歩約7分