『アンティゴネ―への旅の記録とその上演』予習ブログ "vol.1 作品の構造を知ろう!~第一の上演とは?"

さあ、いよいよ、F/T12の開幕日となりました!
みなさん、この怒涛の1ヶ月、ご観劇のスケジュールは立ちましたでしょうか?
短い期間にぎっしりと、なんとも濃い作品たちが詰まった今回のF/Tのラインナップ。
その中でもひときわ謎に満ちた、松田正隆さん率いるマレビトの会の作品について、今日から3回にわたって、この作品を事前により深く知り、会場でより楽しんでいただくための予習ブログを始めたいと思います!!
お届けするのはF/T制作スタッフCです、どうぞよろしくお願いいたします。

本作『アンティゴネ―への旅の記録とその上演』は、登場人物たちのTwitterやBlogなどweb上のメディアを通じて「出来事」が伝えられる"第一の上演"と、にしすがも創造舎にて上演される、「第一の上演の再現ドラマ」と「音響作品」からなる"第二の上演"で構成されています。

F/T期間中に上演されるのは、この"第二の上演"にあたるのですが、F/Tのウェブサイトからもご覧いただける通り...
■上演時間7時間、
■入場は、開演時間から最終受付時間まで、いつでも可
■上演中の途中入退場・再入場可
という、通常の演劇公演とくらべ、少し変わった上演形態を持つ作品です。

正直、ウェブサイト、パンフレットからの情報では、どういった作品なのか具体的なイメージがつきにくいといったご意見もいただいておりまして・・・
そこで改めて、この作品の創作過程と、作品がもつ構造を、かみくだいてみなさまにお伝えしてみよう!というのが今回の予習ブログの試みでございます!
これから3回にわたってお届けしてまいりますので、今後の観劇にお役立てください!

少しばかり長くなってしまいますが、未だかつてない野心あふれる壮大な作品ですので、
このブログをきっかけに、少しでも多くの方にこの作品が届きますように!
どうぞ上演初日までお付き合いください!!

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さて、前置きが長くなりましたが、緊張の第一回目のテーマはこちら!
「作品の構造を知ろう!~第一の上演とは何か?」

今日はまず、にしすがも創造舎での上演前に行われる、"第一の上演"とは何かをご説明させていただきたいと思います。
前述の通り、この作品は第一と第二の上演によって構成されています。
そして、その構造の中で、第一の上演は「読む演劇」と呼ばれ、そこに役者さんの生身の身体はほとんど現れません(!)。
そこでの観客は、本作品の特設サイト(http://www.marebito.org/antigone/)を入り口として、さまざまなメディアを通じて演劇を「読み」進めていくことになります。

では、その構造を簡単な図と共にたどってみましょう。

1、まずはじめに、ギリシア悲劇『アンティゴネー』と、松田正隆さん(マレビトの会代表)の書き下ろす戯曲を手掛かりに、アンティゴネー、東京、福島を巡る、「旅」の物語があります。この物語は、2012年8月~11月初旬の約4カ月間にわたって上演されます。

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2、1の物語は4つのエピソードから構成されています。

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3、4つのエピソードには計10人の人物が登場します。

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4、物語が進むにしたがい、登場人物たちは、TwitterやBlogなどで「出来事」の「記録」を残していきます。

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5、この「記録」が、本作の特設サイトに集約され、サイト上の登場人物たちの名前をクリックすることで、それぞれのリンクへ飛ぶことができます。観客は、文章以外にも、音声、写真、映像といった様々な「記録」形態をもった情報にアクセスし、この物語を受容することができます。
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6、また、この上演の「出来事」の一部は、私たちが生活する場にも起こります。観客は、サイト上の「これからの出来事」にリンクされているTwitterに投稿される情報を手掛かりに、その出来事を目撃することも可能です。
このツイートには2~3日以内に起こる内容と、その現場の地図、そして上演テキストが掲載されています。
現場に足をはこんだ観客が目の前にするその出来事は、時に映画の一場面のようでもあり、時にほんの些細なものかもしれません。しかし、明らかに、現実の生活にフィクションが介入してくるという、とても奇妙な体験をすることになります。
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©山城大督

7、この3か月に渡る"第一の上演"の記録は、並行してFacebook上にもアップデートされ、4つのバラバラにみえたエピソードが、同一のタイムライン上に並ぶことになります。
Facebookページの「いいね!」ボタンを押すことにより、これまでのこの大きな物語の全貌を、1本の流れとして受容することもできるようになるのです!
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以上が、とても簡単な"第一の上演"の上演形態(=作品の構造)のご説明です。
なんとなーく、イメージがわいてきましたでしょうか?
上記の流れを読んでいただいてからもう一度、特設サイト(http://www.marebito.org/antigone/)へアクセスしてみてください!
この上演の雰囲気と、底なしの湖のような深い深い作品の姿を垣間見ていただけるはずです。

そして...この"第一の上演"の記録をもとに行われるのが、F/Tで上演される"第二の上演"となるわけですが、そのご説明は...次回の予習ブログで!

どうでしょう?ちょっと、いや、だいぶ面白そうでしょう?
もういても立ってもいられない方は、こちらからチケットご購入いただけますよ!
それでは、次号もお楽しみに!

『アンティゴネ―への旅の記録とその上演』
マレビトの会
■日程:2012年11月15日~11月18日
■会場:にしすがも創造舎
■ チケット:日付指定券
一般 前売 3,000円(当日 +500円)
学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
■作品詳細はこちらから↓
http://www.festival-tokyo.jp/program/12/marebito_antigone/

■『アンティゴネ―への旅の記録とその上演』特設サイト
http://www.marebito.org/antigone/