トランスフィールド from アジア
テアター・エカマトラ
Berak
死んだらどうなる? 自死、病とコミュニティとの関係を解きほぐす
ファンタジックでポップな映像演劇
マレー演劇の確立を目指し、多民族都市国家シンガポールの現実に向き合う創作を続けるテアター・エカマトラ。彼らが、この3月に新型コロナウィルス感染拡大のため中止となった舞台をもとに、あらたに制作した映像作品を配信する。
本作は、仏教思想を引用し、自殺や病、「死」という運命に対処する家族の姿を描いたチョン・ツェシェン(The Finger Players)の戯曲『Poop!』を、ムスリム家庭を舞台に置き換え再創造したもの。一家の柱でもあった男の自殺、若い娘の病に家族はどう対処する? ファンタジックでユーモアにあふれた想像を交えて描かれる男の魂と娘との対話、妻、母との関係は、彼らが暮らすコミュニティの死生観、家族観をありありと照らし出していく。
戯曲の持つ文脈を自らの文化、社会へ移し替え、新たな作品を立ち上げる独自の手法「トランスクリエーション」が手繰り寄せる多様性、普遍性はもちろん、影絵やサイレント映画を用いた演出、合成を始めとするポップな表現も味わい深い「映像演劇」だ。
※F/T20で上演を予定しておりました『Tiger of Malaya(マラヤの虎)』は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、来年度以後の上演に向け、引き続き準備を続けることとなりました。
<トランスフィールド from アジア>
舞台芸術が持つフィクションの力は、都市にどのように働きかけるのでしょう。フェスティバル/トーキョーでは、2018年より自らを「人と都市から始まる舞台芸術祭」と称し、さまざまなプログラム=場を東京のまちなかに組み込んでいます。
そのひとつが「トランスフィールド from アジア」シリーズ。F/T14以後行われてきた国別の特集「アジアシリーズ」を、国や分野の境界が融解するアジア全体の状況を取り上げるものとしてアップデートした本シリーズでの出会い、協働作業は、アジア発の横断的な文化の可能性をあらためて実感させるものです。F/T20では、その経験をさらに深め、観客の皆さんと共に、これからのアジアの文化を築く原動力となる場を目指していきます。
公演情報
公演名 | テアター・エカマトラ『Berak』 |
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日程 | 配信期間: 10/16 (Fri) 12:00 - 10/29 (Thu) 23:55 再配信決定! 11/7 (Sat) 12:00 - 11/15 (Sun) 23:55 |
会場 | F/T remote(オンライン配信) |
上演時間 | 約60分 |
上演言語 | マレー語上演(日本語、英語、マレー語、中国語字幕) |
オンライン視聴チケット
F/T remote (オンライン配信) |
¥1,000 |
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アーティスト・プロフィール
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テアター・エカマトラ
東南アジアの伝統的な演劇様式と現代的なテクニックを融合させた「現代的で実験的なマレー演劇」の開発を目指し、1988年に創設された。
モハマド・ファレド・ジャイナル(芸術監督、パフォーマー、演出家)のもと、シンガポールの多様な民族、文化、言語にスポットライトを当てるとともに、政治的な課題にも大胆に切り込む作品を上演する。次世代育成のためのトレーニングプログラムや演劇祭の主催のほか、マレー語戯曲のアーカイブプロジェクトも展開している。
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モハマド・ファレド・ジャイナル(監督)
演出家、パフォーマー、ビジュアルアーティスト、舞台美術家、テアターエカマトラの芸術監督。
劇場デザインコレクティブneon tightsの設立メンバーでもあり、School of Arts(SOTA)教授も務める。
ビジュアルアーツとパフォーミングアーツの両面から、空間、身体、デザインについて研究し、フィジカルシアターの実現のための身体表現テクニックを探求する。Edith Podesta『Dark Room x8』(13)にてStraits Times Life! Theatre Award最優秀アンサンブル賞、Cake Theatre『Comedy of the Tragic Goats』(09)にて同最優秀ディレクター賞ほか受賞多数。
キャスト・スタッフ
原作 | チョン・ツェシェン(The Finger Players) |
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製作 | テアター・エカマトラ |
トランスクリエーター | ズルファイディ・ラシ |
監督 | モハマド・ファレド・ジャイナル |
プロデューサー | シャーザ・イシャック |
プロデューサー助手 | カイリーナ・カディ |
キャスト | アイディ・アリン・モスビット、フィ・ラーマン、 シティ・ハジャー・アブドゥル・ガニ、 シティ・カリジャ・ザイナル |
撮影・編集 | エリック リー |
撮影アシスタント・編集 | A.シャディク |
音響デザイナー | サフアン・ジョハリ |
制作助手 | ヌラリーナ・ナシル、イルシャド・ダウード、ハジカ・ハシ |
助成 | ナショナル・アーツカウンシル シンガポール |
字幕監修 | 滝口 健 |
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日本語字幕 | 前原拓也 |
字幕コーディネート | 水野明人(舞台字幕/映像 まくうち) |
制作 | 柚木桃香 | |
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助成 | 国際交流基金アジアセンター アジア・文化創造協働助成 |
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主催 | フェスティバル/トーキョー |
記録集『アジアシリーズからトランスフィールドへ 2014―2020』を公開しました!
フェスティバル/トーキョーで2014年に立ち上げられた「アジアシリーズ」から、その後枠組みを拡大した「トランスフィールド from アジア」。
2014年から2020年まで、7年間の全プログラムを収めたドキュメントを公開しました。
下記リンクより、ぜひご覧ください!
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研究開発プログラム
シンポジウム
フェスティバル・アップデート
「なぜ舞台芸術祭をまちなかで?(そしていかにしてこの感染症の時代にさえも開催するのか)」
日程:10/21 (Wed) 19:00-21:30(予定)
会場:F/T remote(オンライン配信)
演劇
作:松井周
演出:キム・ジョン
原案:ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ「夢の劇」
配信期間:11/2 (Mon) 12:00 - 11/15 (Sun) 23:55
会場:F/T remote(オンライン配信)