F/T BOOKS 選書~シンポジウム~
【F/TBOOKS】F/Tシンポジウムの選書一覧です!(画像、タイトルをクリックするとAmazon.co.jpへリンクします)
プログラム・ディレクターの選書コメント付。参加前にご参考にするもよし、シンポジウム後により深めるため、というのもよし!
【テーマ①】3.11以降の芸術活動とその公共性を巡って
表象困難な現実、途方もなく「大きな物語」の出現を前に、私たちは何を語ることができるのか?
F/T11を貫く、この大きな問いかけに対して、世界の第一線の批評家や実践者に耳を傾けるテーマ1。日本の文化政策を代表する文化庁長官、近藤誠一氏は元ユネスコ大使でもあり、文化外交のスペシャリスト。演劇批評家、鴻英良氏の司会によって、3.11以降、日本の表現者が向き合うことになった現実を、世界的な視点、歴史的な視座から捉えます。彼ら多彩なパネリストたちの著作は、これからの演劇、そして文化政策を考える上のヒントに満ちているはずです。
【テーマ②】アート/ジャーナリズム/アクティビズムの新地平
テーマ2では、「アート/ジャーナリズム/アクディビズムの新地平」と題し、その境界線を軽やかに横断しながら、社会の火急の問題について思索し、行動を起こす実践者たちが対話を繰り広げます。宗教学者、中沢新一氏の著作群からは、震災後の東北や文化の未来を構想する上で、独自の視点を与えてくれるであろう6冊を挙げました。津田大介氏も寄稿している新刊「リアルタイムメディアが動かす社会」は、ジャーナリズムの新たな地平を探る本シンポジウムの問題意識とも直結しており、ぜひ事前に手に取ってみたい一冊。F/T参加アーティスト、高山明氏関連書籍は、本人セレクトの欄を、司会の濱野智史氏関連書籍は、シンポジウム・テーマ4の欄をご覧ください。
【テーマ③】日本・現代・アート~「終わりなき日常」の断絶から
社会学者、宮台真司氏が1995年オウム真理教事件直後「終わりなき日常を生きろーオウム完全克服マニュアル」を世に問うてから16年。3.11によって、「終わりなき日常」は終わったのか? その時、日本のカルチャーやアートは何を映し出すのか? テーマ3を掘り下げる上で前提となる宮台氏の社会分析・批評論考の中から、最近の著作を中心に選びました。また、中学生に向けて書かれた2著作は、3.11以降の生き方を問い直す大人にもおすすめ。F/T参加アーティスト、宮沢章夫氏、黒瀬陽平氏の関連著作は本人セレクト欄を、司会の鴻英良氏の関連著作はテーマ1の欄をご覧ください。
【テーマ④】アジアの同時代とは何か?
「アジアの同時代とは何か」という問いを軸に、アジア地域における現代文化と社会の関係を議論するテーマ4。ソーシャルメディアの爆発的普及、日本へのアジアからの移住者の増大など社会学的な分析から、サブカルチャーを含めたダイナミックなアジアの同時代の表現を読み解きます。論客には批評家で中国文学研究者の福嶋亮大氏、また司会には情報環境を専門とする社会学者、の濱野智史氏。二人の若き批評家の論考を中心にセレクトしました。さらにこれまでのアジア現代演劇の思考と実践は、「舞台芸術ー複数のアジアへ」でおさらい。F/Tアーティストである松田正隆氏関連書籍は別の欄をご覧ください。
↓ここからはプログラム・ディレクター 相馬千秋セレクトブックです。
コメント:「F/T11を構想する上で参照した本は多々ありますが、震災後に読んでいたのは村上春樹がオウム被害者をインタビューした「アンダーグランド」。また震災後に再読した演劇関係の本は、古橋悌二さんの「Memorandaum」、ピーター・ブルックの「なにもない空間」です。「復興支援地図」と朝日新聞縮刷版は、現在に至るまで頻繁に閲覧し、実際のクリエーションに活用しています。また都市をテーマにした今回のF/T11のメインビジュアルは畠山直哉さん撮影の写真ですので、畠山氏の写真集と論考を2冊挙げました。」
- by F/Tスタッフ
- F/T BOOKS
- 2011年10月28日