11/4(金) 19:30~「なにもない空間からの朗読会」 第8夜 『CHITENの近現代語』 (演出:三浦基)

昨年F/T10での『――ところでアルトーさん、』が記憶に新しい地点が、「なにもない空間からの朗読会」に登場。
今年8月に発表された小作品『his master's voice』に肉付けした新作を上演予定。
「なにもない空間」が見出された会場・豊島区公会堂の使用方法にもご注目ください!


『CHITENの近現代語』
■日時:11/4(金)
19:00開場
19:30開演
■上演時間:約60分(予定)
■会場:豊島区立豊島公会堂(豊島区東池袋1-19-1)
■入場:無料・予約不要(全席自由。開演30分前からご入場いただけます。)
■席数:200席程度(予定)

■演出:三浦基
■出演:安部聡子、石田大、窪田史恵、河野早紀、小林洋平
■朗読テキスト(予定):
大日本帝国憲法、玉音放送口語訳、日本国憲法、朝日新聞ほか戯曲、小説を引用予定

■演出ノート
『CHITENの近現代語』について

演劇をやるということは、簡単に言えば、人前で何かをしゃべることだけれども、私が気を使うのは、「何か」にあたる内容よりもむしろ「どうやって」しゃべるかという方法にあります。だから誤解を恐れずに言えば、内容は何でもいいという気持ちがあるわけで、今でも基本的な態度は変わっていません。しかし、この内容と方法は必ずしも分けて考えればよいというものでもないのが現実です。人は、だから言動一致という事態を歓迎し、気がつくと内容により重きを置いてしまうわけです。
別役実の初期の戯曲群は、内容をできるだけ希薄にすることによって「どうやって」人は「何か」を語りたがらないのかという極めて屈折した提示だったと思います。このような考え方で、演劇をやろうとしたとき、むしろ内容しかないものを取り扱ってみてはどうかと思いました。それが今回の作品の根幹をなす憲法という、劇とは程遠いテキストであり、近代の始まりと終わりというかなり大きな話となるわけです。そこで浮かび上がってきたのは、しかしやはり「どうやって」これを扱うかという姿だと思います。
ところで、「話せば解かる」とは犬養毅が暗殺されたときに残した最後の言葉ですが、殺す側は「問答無用」という台詞とともに発砲したことは、内容を無きものとして消してしまうという点において出来過ぎたエピソードでしょう。話しても解からないということを「どうやって」話すのか......。こういう問い方をすることが、最近の私の方法であり、すなわち演劇なのではないかと思っています。

三浦基

AZDX110821_289.jpg
(c)前澤秀登


↓USTREAMで生中継も!
F/Tチャンネル


■「なにもない空間からの朗読会」について
私たちは何を語ることができるのか?  F/T11を貫くこの問いかけに、過去3回のF/Tに参加したアーティスト有志が応答。「何もない空間から」をコンセプトに、一夜限りの朗読会を、都内各所でリレー開催します。参加するアーティスト10名はそれぞれ、詩、戯曲、小説、あるいは自作のテキストなどを選定。さらに、都市の中に「なにもない空間」を見出し、その場、その時限りの朗読会を作り出します。そこに響く言葉、声、そして身体の力を媒介に、私たちは失われたものに思いをはせ、未来に向けて生み出されるものへと連帯を深めることになるでしょう。朗読会の様子は、そこに集う来場者のみならず、UST中継によって、この言葉と時間を必要とする人たちに広く届けられることを目指します。
2011年秋を静かに紡ぐ、特別な時間と空間に、ぜひお立ち会いください。

 ※ 本企画は、過去3回のF/T参加アーティスト有志の協力により、入場無料で開催しております。
 ご鑑賞いただいた皆様には、東日本大震災の被災地に向けた募金へのご協力をお願い申し上げます。
集まった募金は全額、メセナ協議会が運営する「芸術・文化による復興支援ファンドGBFund」に寄付し、被災者・被災地を応援する芸術文化活動への支援とさせて頂きます。

↓プログラムページはこちら
http://festival-tokyo.jp/program/Nanimonai/