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フェスティバル/トーキョー17  インターンシップ・プログラム参加者募集 【5/30(火)〆切】

日本最大級の舞台芸術のフェスティバルで、フェスティバルの現場を共に学び体験してみませんか?

フェスティバル/トーキョー(F/T)は東京から世界へ向けて発信する国際的な舞台芸術の祭典です。これまでに55万人を超える観客がフェスティバルを体験・共有し、国内外から大きな反響を呼んでいます。今年で10回目を迎えるF/Tは、2017年9月30日(土)~11月19日(日)(予定)までの期間、東京の池袋を中心に開催されます。

このたびF/Tでは、舞台芸術の仕事に興味を持つ方や将来舞台芸術の世界で働くことを志す方々に向けて、フェスティバルの基本理念と運営の実践を学ぶ場を提供する人材育成プログラムとして「フェスティバル/トーキョー17 インターンシップ・プログラム」を実施いたします。

実際の現場での経験を通じ、舞台芸術に関するさまざまな仕事への適性を見極めていく有益な機会になることを願うとともに、将来を担うフレッシュな人材との出会いを期待しています。
昨年度の活動の様子


インターンシップ・プログラム経験者より


舞台芸術に関する経験と知識の両方が得られる、大変充実したインターンシップでした。大学院でフェスティバルについて研究していた私は、実際にスタッフとしてフェスティバルを内側から知る機会を求めて、日本で1番大きな国際舞台芸術祭であるF/Tのインターンに応募しました。業務としては、制作インターンとして主にスペインの演出家の作品に関わりました。実際に現場に入ってアーティストと直接関わる業務を沢山任せていただき、「プロの仕事を間近で見る」、「外国語を使って業務を行う」という2つの貴重な経験をすることができました。また、会期前に行われた座学研修では、豊島区職員の方やNPO法人の方など外部の方のお話も伺うことができ、修士論文を書くにあたり大変参考になりました。卒業後は劇場に就職しましたが、本インターンで得られた経験と知識が、日々の業務の助けとなっています。(カナヤマ/女/当時の在籍:早稲田大学大学院 修士2年)

大学に入学し、将来の仕事を考える上で実際に舞台芸術の現場に出て経験を積みたい、と考えていた時にインターン募集を知ったのが応募のきっかけです。公演前は来日アーティストのビザ申請準備・公演の宣伝業務、公演期間中はケータリング管理・演出部補佐・フロント業務等を担当しました。舞台芸術には観客としてしか関わったことがなく、自分は仕事に関して全くの素人というのが大きな不安要素でしたが、F/Tでは一から知識や仕事を学ぶことができ、作品が完成し公演に至るまでの過程を実際に体験して自分が制作という仕事を志すきっかけにもなりました。現場に出なければ得られない出会いも多く、F/Tのインターンが終了した後も舞台芸術に関わることができており、勇気を出してインターンに応募して本当に良かったと強く感じています。(ホソイ/女/当時の在籍:武蔵野音楽大学音楽学部1年)

私は大学で豊島区の文化政策について学んでおり、フェスティバルをつくる側のやりがいや苦労も体感してみたいと考え、インターンに参加しました。私の担当業務は公演運営をサポートするF/Tサポーター事業と、学生対象の人材育成事業「F/Tキャンパス」でした。事前の資料作成から当日の運営、後日の振り返りまで関わることができ、どのように企画が行われているのかを学ぶことができました。また、多くの出会いを通して自分の将来について考えることができたと感じています。今後私は演劇に関わる仕事ではなく他の仕事に関心がありますが、F/Tのインターンを通して仕事をする楽しさを感じることができました。(ミトモ/女/当時の在籍:立教大学社会学部3年)

 

昨年の活動の様子


インターン講習会

座学研修の様子 Photo:Kazuya Kato

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広報インターン製作物

広報部門インターンによる展示の様子

図書館展示

広報部門インターンによる展示の様子

募集要項

募集
対象
18歳~35歳までの方で、舞台芸術やフェスティバルの制作業務、または広報業務に興味があり、積極的に責任をもって参加できる方。
制作部門
広報部門
募集
人数
20~25名程度 2~3名程度
参加
条件
9月30日(土)~11月19日(日)(予定)のフェスティバル期間中、7日間以上連続で参加できること。また、それまでの事前準備(7月頭~)にも、平日に週2・3回程度、積極的に参加できること。 7月~12月上旬までの間、平日に週2回程度、積極的に参加できること。
プログラム内容 制作チームの下で、公演準備や本番のサポート、ワークショップの運営など、フェスティバルの運営に関する業務を全般的に学びます。 広報チームの下で、フェスティバルのPR関係業務・営業業務について全般的に学びます。
フェスティバル期間前に、舞台制作についての基礎的な部分や、文化政策などF/Tに関連するテーマに基づいた座学研修やディスカッションを実施します。(7月から9月上旬にかけて10回程度を予定。)

※事務所は原則として土・日・祝は休みですが、フェスティバル期間中はその限りではありません。

 

選考スケジュール

応募締切
5月30日(火)23:59
書類選考結果通知
6月1日(木)
グループ面接  
6月2日(金)、5日(月) ※予備日:6月3日(土)
会場:東部区民事務所3階 F/Tオフィス (豊島区北大塚1-15-10)
※時間の詳細は応募フォーム内下部でご確認ください。
面接結果通知 
6月12日(月)
説明会 
6月26日(月)18時~(予定)
インターンプログラム開始
7月頭から

 

待遇

◆交通費支給 ※上限あり 往復1,500円/1日
(業務で移動する交通費は別途お支払いいたします)
◆ボランティア保険加入(費用はF/T事務局が負担)
◆制作部門は、担当する演目は必ずご覧いただけます。
その他の主催演目(連携プログラムは除く)もスケジュールに応じてご観劇いただけます。
広報部門は、スケジュールに応じて、主催演目(連携プログラムは除く)をご観劇いただけます。
◆関連団体における人材募集等の優先的な情報提供
※インターンシップ終了後、正職員への登用の実績あり

 

応募方法

応募フォームより、必要事項を入力の上ご応募下さい。(応募〆切:5月30日(火)23:59
⇒ 応募フォームはこちら

 

フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局 インターンシップ担当
TEL:03-5961-5202 MAIL:ft-intern@festival-tokyo.jp
〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-15-10  東部区民事務所3階

お送りいただいた個人情報、資料は本事業に関連するもの以外の目的で使用することはありません。
応募資料は選考終了後、当委員会の個人情報取扱マニュアルに沿って破棄致します。
また、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
ご応募、心よりお待ちしています。

フェスティバル/トーキョー17開催に向けて
「新しい人 広い場所へ」

フェスティバル/トーキョー17 ディレクター

市村 作知雄

 

私は「新しい人」に果てしない希望を持っている。今、世界で起きている様々な愚かしく、また滑稽ですらある事態を根こそぎ変えてくれるようなことを、残念ながら「新しい人」はまだできないとしても、「新しい人」はすでに現れている。彼らが世界を変えるためにはまだ15年、20年という時間が必要で、フェスティバル/トーキョー(F/T)は、その時を準備するために世界の人々とのしっかりとした交流を築こうと考えている。国際的なフェスティバルは、国同士が争おうと、政治的権力がぶつかりあおうと、全くそれとは無縁に市民レベルでの交流を続け、市民レベルで互いへの敬意を抱き続けようと思えるアートの作品や活動を提示することをもっとも重要なミッションであると考えている。国際的な交流にはいろんなレベルのものがあるが、アートにおける交流こそがお互いの価値観や生活習慣の違いを認識しながら、互いへの敬意をも抱かせることができる最大のアイテムである。国際的なフェスティバルは、マスコミ等にあるいろいろなバイアス、利害に左右される政治家の価値観から抜け出し、ダイレクトで素直な交流を成し遂げることができる非常に貴重なアイテムとなれるはずのものであり、我々の努力もそこにある。

F/Tのテーマに「新しい人」を使うのは、昨年に引き続いている。「新しい人」とは、それまでの世代とは明確な断層によって隔てられた若い世代で、今から15年、20年後には彼らこそが社会の中枢となり、圧倒的な多数を形成しているはずである、たとえ今彼らがまだ無力であったとしても。そのような彼らには世界がどう見えているのか、またそれを少しでも理解できれば、古いジェネレーションでも彼らに寄り添うことができるのか、確かめたいことはたくさんある。F/T17のプログラムは、そのような意志に貫かれている。「広い場所へ」は二重の意味が込められている。「新しい人」への期待をあらわすものと、もう一つは、F/T17の多くのプログラムが、劇場という狭い空間を抜け出し、広い場所を自由に使うようなクリエイションをアーティストに要望しているところにある。オープニングを飾るタイの振付家ピチェ・クランチェン氏には、南池袋公園とそこに連なるグリーン大通り(池袋駅東口)を使っての作品で、タイの伝統に捉われない作品に仕上げてくれるように頼んでいる。アジア各国とのアートの交流を考えるには、伝統的民族的なものをどう扱うかは非常に重要であり、我々はそう簡単に「伝統と現代の融合」をなどというつもりなど毛頭ない。「ままごと」の柴幸男氏には、東京芸術劇場の地下全部を使ってのクリエイションを頼んでいる。さらに昨年から始めた「まちなかパフォーマンスシリーズ 」も思い切った展開が見られるだろう。アジアシリーズは「中国特集」となる。これも中国の「新しい人」に焦点を当てて<中国の若い世代が親しんでいるもの>という切り口でのアート作品やアートプロジェクトを紹介する。確実に中国の若い世代の志向性に触れることができるだろう。
 松田正隆氏には、非常に多くのことを頼んでしまった。「マレビトの会」での福島に関する作品の創作と同時に教育者でもある松田氏に若手の発掘というプロジェクトまでも要望したが、松田氏は、我々の予測をもはるかに越えて、「出来事の演劇」というマニュフェストを提示して、強いリーダーシップを発揮してくれている。F/Tとしても松田氏が宣言し、提唱する「出来事の演劇」に最大限コミットして紹介していく計画である。
 その他にもやりたいプロジェクトはいくつかあるのだが、経済的な面から見れば、諦めるしかないのだろう。しかしディレクターという職能はとにかく諦めが悪い。まだ少し時間がある。

 

F/T17は、フェスティバル/トーキョー実行委員会(福地茂雄実行委員長)によって運営されている。その実行委員会の中核団体としてNPO法人アートネットワーク・ジャパン(米原晶子理事長)があり、実務を取り仕切っている。そのような構造を根底から支えてくれているのが豊島区(高野之夫区長)で、豊島区は主催者の構成団体でもあるので、本来は謝辞を述べるものではないけれど、フェスティバル・ディレクターという立場からは心からの感謝をまず表明しておきたい。またオープニング企画の共催団体である国際交流基金アジアセンターには金銭面だけではなく 精神的面でも大いに助けていただいている。株式会社資生堂とアサヒグループホールディングス株式会社にも本当に長く、変わらず支援していただき、これも心の支えとなっている。もちろんアーツカウンシル東京については、感謝はいうまでもない。そして果てしない労力を費やし、わがままなディレクターを見放さず、ついてきてくれている多くのデザイナーの皆様やスタッフには心底からの感謝とともに、一層の奮闘を期待してやまない。F/Tは10回目を迎える。困難はいつでも絶えないが、継続こそが力である。