フェスティバル/トーキョー トーキョー発、舞台芸術の祭典
ハンガリーの演出家・アールパード・シリング率いるクレタクールが、3年の活動休止期間を経て発表した『危機三部作』(2011年)は、古典戯曲の上演を続けてきた彼ら自身の転換点であると同時に、映画、オペラ、演劇と異なる形式を使って現実の問題にアクセスする、実験的な企画でもあった。
その掉尾を飾った第三部『女司祭』は、都会育ちの女優が演劇教師となり、民族問題に揺れる田舎町に赴任したことから起きる波紋を描いた演劇作品だ。生徒役には、ルーマニア・トランシルバニア地方でのワークショップに参加した子供たちが扮し、劇中で自らの生活体験を語る。都市と地方の格差や価値観の断絶、日常生活に潜む差別意識や暴力......子供たちの暮らす村の映像をも交えた舞台は、虚構と現実をないまぜにしつつ、地域が抱える課題をあぶり出す。子供たちの一人が客席に向かって言う。「ここで今、何が起こっていると思う?」。そのまっすぐな問いこそが、クレタクールのスタイルだ。
10/27(土) | 19:00 |
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10/28(日) | 17:00★ |
10/29(月) | 19:00★ |
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10/30(火) | 14:00 |
★ポスト・パフォーマンストークあり
10/28(日)キャスト、スタッフ、明治大学付属明治高等学校有志の皆さん(※)
※クレタクールとF/Tが共同開催する、演劇を通じて社会や教育を考えるユース・プログラムの参加者
10/29(月)『危機三部作』各作品の演出・プログラムリーダー:ペーテル・ファンカチイ、マールトーン・グヤーシュ、バーリント・ユハース
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クレタクールとF/T共同開催ユース・プログラムの開催決定!詳細はこちら
来日後やプログラム実施の様子などはF/Tブログにて随時公開中!