72年スイス生まれ。チューリッヒの美術大学でビジュアル・アーツを学んだ後、ドイツのギーセン大学で演劇を学ぶ。以後ヨーロッパおよび南アメリカを中心に、様々な文脈の中でドキュメンタリー演劇やラジオドラマ、都市空間におけるパフォーマンスを創作。アルゼンチンで制作した作品『Torero Portero』は、失業中の施設管理人3名が、人通りの激しい路上から、カフェの窓越しに彼らを眺める観客に対して、以前勤めていた大邸宅での警備員の仕事について語るというもの。同作品はミュンヘン、フランクフルト、ベルリン、ボゴタ、リオ・デ・ジャネイロやサオ・アポロ等で上演された。05年バーゼル劇場で創作した『ムネモパーク』は、1: 87スケールの生映画セットである模型の世界を取り上げたもので、ドイツの政治フリンジ演劇祭(Politik im Freien Theater festival)の審査員賞を受賞。またアヴィニョン、モントリオール、バルゼロナ、ウィーン、タンペレ(フィンランド)および東京(東京国際芸術祭2008)に招聘された。また06年に初演された『カーゴ・ソフィア』は、ブルガリア人ドライバー2名が運転するトラックを使用した移動型パフォーマンスとして、ヨーロッパおよび中東29都市を巡回した。
ベルリンで演劇と比較文学を学んだ後、劇作家・演出家ルネ・ポレシュと活動を共にする。リミニ・プロトコルの作品には『deadline』 に映像として参加したのを皮切りに、『Cargo Sofia-X』の製作に携わり、2年間でヨーロッパ・中東29都市における上演を実現させた。また、これまでにハンブルクのドイツ劇場におけるコンサートや演劇祭の企画・構成、自身の作品の劇作・演出など、現在ベルリンを拠点に多彩な活動を行っている。
シュテファン・ケーギ(Stefan Kaegi)、ヘルガルド・ハウグ(Helgard Haug)、ダニエル・ヴェツェル(Daniel Wetzel)の3人によるアートプロジェクト・ユニット。2000年、フランクフルトで結成された。公共空間におけるパフォーマンスやドキュメンタリー演劇の手法を用いた型破りなプロジェクトの数々で世界の注目を集めている。出演者には、プロの俳優ではなく作品テーマに則した特別な経験や知識を持つ一般の人々を起用し、「ある現実をそのまま舞台上にあげる」という手法を用い、ヨーロッパで爆発的な人気を誇っている。04年以降はベルリンのヘッベル劇場に拠点を置き、それぞれが個人のプロジェクトを発表する一方で、メンバーの2人、もしくは3人のプロジェクトも多く発表している。日本では、これまでに東京国際芸術祭2008(08年3月)において『ムネモパーク』、フェスティバル/トーキョー2009春(09年2月〜3月)において『カール・マルクス:資本論、第一巻』を上演し、好評を博した。
02年 『Shooting Bourbaki』でImpulseフェスティバル賞
05年 『ムネモパーク』でPolitik im Freien Theaterフェスティバルで審査員賞
『Schwarzenbergplatz』でネストロイ演劇賞の特別賞にノミネート
06年 『カール・マルクス:資本論、第一巻』でミュールハイム戯曲賞及びオーディエンス賞
07年 『ファウスト』でドイツ演劇賞 (特別賞)
『Peymannbeschimpfung』が「今月のベストラジオドラマ」に選ばれる
08年 プレミオ・ヨーロッパ演劇賞 (部門:演劇におけるニュー・リアリティ)
『カール・マルクス:資本論、第一巻』のラジオドラマ版でHörspielpreis der Kriegsblindenラジオドラマ賞